この度、T21ブラケットおよびフルパッシブ矯正治療についての講演を中国にて行うことになり、ゴールデンウィークの休みを利用して5/3(日)午前、講演地である北京に向かった。
メンバーは私と当院の副院長である植木先生、T21ブラケット開発時にお手伝いをしていただいた、元当院の副院長、現まるやま矯正歯科の院長丸山先生、T21ブラケットを販売している(株)トミー・インタナショナルの松島常務、業務推進室長の猪股さん、そして海外に精通している社員の真柄さんの計6名であった。
実は私は学生時代バックパッカー(リュックを背負って気ままに旅行する人)の端くれであり、中国にも1984の夏に長期間旅行していた。
ただし、それ以降の驚異的な経済発展を遂げた中国には行っていなかったので、久しぶりに訪れる中国の変貌ぶりに驚愕するであろうという覚悟と北京のスモッグの洗礼を受けるという二つの覚悟を決めていた。
しかし、羽田から北京に着いて、実際に見た北京の空は意外にも青々としており、空気もそんなにスモッギーではなかったので、とても安心した。
聞けば、北京も日本のゴールデンウィークより一足早く、数日の休日があったこと、北京に着く前日に強風が吹いたことにより、実は久々に空が青いとのことであった。
現地ではT21を輸入・販売を行っているトミーインターナショナル駐在員の王(ワン)さんをはじめとする中国の方に何から何までお世話になった。
王さんは今回の日本メンバー一行の世話役で、本当に日本語に堪能でコミュニケーションの取りやすさは日本人と何ら差がないほどであった。
翌日5/4(月)、宿泊地の向かいに位置する北京理工大学の講堂に到着し、今回T21ブラケットを中国に展開する矯正歯科材料会社の社長である趙先生、そして今回の講演の通訳をお引き受け戴いた張先生と面会した。
趙先生は歯科医師で、以前大阪歯科大学矯正科に留学した経験をお持ちの矯正歯科医でもある。
また、張先生は台湾のご出身で、私の東京歯科大学矯正科時代の同僚であり、台湾の高尾医学院をご卒業後、東京歯科大学矯正科に留学し同科にて学位を取得され、帰国後、矯正界の様々な重責を担っている高名な先生である。
講演に先立ち、私、趙先生、張先生が演台に上がり、司会者から受講される先生方に紹介を受けた後、私の講演を行った。
張先生はさすがに日本語、北京語に堪能なため、何らの痛痒(の)も感じることなく、無事講演を終えることができた。
受講者の先生方は本当に中国全土からお越しになっており、やや斜陽な日本と異なり、やる気満々で意欲がみなぎっており、質問も日本人のように儀礼的なものではなく、本音で尋ねてくるものがほとんどであった。
なお、日程として5/4(月)は考案者である私が講演を行い、翌日5/5(火)は趙先生による実技実習を行った。
講演後は歓待の宴席に呼ばれ、お酒が苦手な私としては失礼の無いように必死でお酒を飲み、ご馳走を胃に詰め込んだ。
中国では、宴席で客人が沢山食べ残せば残すほど、食べきらないほどの食事で大歓迎している、という意向を示すらしく、どう考えても、絶対に食べきるのは全員がギャル曽根でなければ不可能!という感じのボリュームの食事であった。
せっかくの北京出張ということもあり、日程最終日は万里の長城、北京市内の胡堂(フートン:北京の旧市街)を観光し、帰路についた。
来年もやはりゴールデンウィークに中国講演を行う予定である。
<田村元 記>