矯正治療の進化の歴史



医療が画期的に進化するときの重要な要素は大きく二つに分類される。

ひとつは理念、メカニズムの進化。もうひとつは道具、材料の進化。

フルパッシブ矯正における矯正治療の進化は、双方の要素における大きな進化といえる。

特に東洋人にとっては、顎関節、咬合問題解決の核心に迫る内容となる。

用語解説

スタンダード矯正:1890年代からある、エッジワイズブラケットシステムとしては最古の、矯正治療法としては最もベーシックな治療テクニック。いわゆるフルオーダーメイド矯正のこと。全行程の全てのワイヤーを手で曲げる。ブラケットスペックは全ての部位で同じもの。わかりやすく言うと、まずは箱に0°の溝を掘ったもの。

ストレートワイヤー矯正:1970年代にアンドリュース先生が開発した、ストレートワイヤーブラケットを用いた治療テクニック。現在の主流テクニックの基本となる方法。歯ごとに使用するブラケットが決まっており、それぞれスペックが違う。スペックは平均値から割り出されている。

ローフリクション矯正:結紮をしないで、キャップやシャッター式のブラケットを使用する治療テクニック。ブラケットスペックはストレートワイヤー法を踏襲している。

フルパッシブ矯正:ローフリクション矯正と同様に結紮を行わず、さらにワイヤーをブラケットスロット底に押し付けないように、歯をわずかにフリーにした状態で行う治療テクニック。T21のブラケットスペックは、特に東洋人にあうように設定されている。